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『バックルームズ』感想

2 日前
読了時間: 12分

 すごく好きな作品だったので、自語り感想をしたためます。


 リミナルスペースと呼ばれるような空間(不思議ななつかしさを感じる、意匠的でありながら生活感の薄い建物内部や風景)が好きで、普段の生活でもそんな場所に魅力を感じることが多いです。駅構内通路の写真や、オフィスや商業施設の謎空間写真が結構な頻度でスマホ内に追加されてますし、リミナルスペース系お散歩ゲームも度々遊んでいます。


 一方で映画『バックルームズ』の元となる? アナログホラー作品群には正直なところあまりハマりきれずにいました。それらの作品を”恐怖を煽って、ホラー好きな人に対して怪物を魅力的にみせたり考察を楽しませるための”ものだと思っていたからです。怖いし。


 映し出される夢のような風景にはとても惹かれるのですが、なんか主人公がハアハア言いながらマズそうな場所にズンズン進んでいった先でデッカイ化け物に襲われるの、怖すぎるし……音も大きくて怖いし……画面も揺れて怖いし……。


 いや、ホラーコンテンツがダメなわけじゃないんですよ。怖がりではありますけどホラー映画やホラーゲームは好きなんです。大声は出るし顔は覆うし足はすくむけど。というか恐怖心のない人って、ホラーから恐怖心を抜いたところだけで楽しめるのすごいなと思います。自分の恐怖が8割じゃないの? ホラーコンテンツって……。

 

 話が逸れましたが、ホラーはいいんですよ。でもリミナルスペースで味わいたい恐怖心って「あの角を曲がったら何かがあるかもしれない」とか「あの形がなんだか怖く見える」みたいな、あくまで自分の心が生み出すものあって「ボクが襲いかかりまーーーす!!」って向こう側から提供されるものじゃないと思っていたんですよ。

 だから怪物が出てくるのって嬉しくないし、人間が破壊されるのもリミナルスペースで行われる必要はあるのかな? と思ってました。


 で、今回『バックルームズ』を観て。(ネタバレ)


 『バックルームズ』にいるのは

「空間内に生息する、人間を喰う怪物」ではなく

「空間が人間を喰ったことによって、生み出された怪物」なのか! と腑に落ちました。


 前者だとマップデザインが現実風なモンスターダンジョンになってしまいますが(※個人の感想)後者はリミナルスペースの魅力が活かされるような気がします。心地の良い夢の世界でありながら、自分の過去が襲い掛かってくる空間。不気味でいいですね。


 建築家という夢に固執した主人公が、バックルームズという夢にのめりこんでいく所。現実に向き合えずにいることで、怪物となった自分を肯定してしまう所。けれど突きつけられた現実を自覚してしまった途端に、肯定してきた怪物が自分を喰らうものになってしまう所。


 主人公クラークの在り方がすごく身近に感じられて……怖かったですが面白かったです。

序盤カウンセリングシーンでの理想と現実のギャップを受け取めきれず誤魔化すような怒り方をはじめ、周りが見えなくなるくらい異世界にのめりこんでしまう姿やお茶会シーンでの自分本位すぎる謝罪要求など、ずっと人間味があって恐ろしかったですね。

 

 そういえば本作では、バックルームズ系で定番の「うっかり落ちる」という入り方ではなく、見覚えのないブレーカースイッチや照明の点滅などで明らかにクラークが空間に呼ばれていますよね。現実に干渉してまで人間を喰おうとする事もあるんだ、と新鮮に思いました。入ってすぐの部屋がクラーク向けにカスタマイズされてるのも何だか面白いです。


 あれ? ということは、クラークは本編以前にすでに喰われて記憶が利用されているのでしょうか? クラークが入口を見つける前にノートに記していたスケッチは彼の内からでたイマジネーションか、無意識に空間の影響を受けていたのか……


 ところで皆さんの記憶は、どのような形ですか?


 最近、血縁者の最期に際して思い出を振り返る機会があったのですが、断片的にある記憶の全てが「空間」であることに気付きました。


 「一緒に○○をして」「こんなことを言っていて」人から伝え聞く、あったはずのエピソードがどれ一つとしてピンと来ず、ただ私の中にあるのは「廊下に積まれた荷物」「階段の小さな窓」「庭の草花」などの空間ばかりです。


 記憶から一番に薄れるのは声だ、という話をどこかで見た事がある気がします。声は思い出せずとも、言われた事や言った事は覚えていられたらよかったのになと、少し後悔しました。


 けれど、空間があって、それを見て想起する感触やにおいがあって、その中に過去が存在しているという感覚は私にはとても大切なものです。会話や生活が思い出せずとも、そこで生きていたことが自分の土台だから。


 もう一人の主人公メアリーが過ごした過去も、そういう場所なんじゃないかなと思います。

だから、メアリーの部屋がバックルームズの空間と溶け込んでいくシーンがとても印象的でした。メアリーは過去の自分のために窓を開けようとしていましたが、記憶の場所は手放しようもなく蓄積されている。そういうものを喰って空間は広がっているのかな。


 リミナルスペースに怪物的脅威や各場所での生存戦略みたいな要素は必要ないという個人的な気持ちは変わらずあるんですが、記憶の模倣である空間は当人にとっては間違いなく記憶・過去・自分と密接につながった夢の世界。だから美しく、脅威でもある。というのはとても納得できました。

 私が喰われた時に空間にありそうなオブジェクトは何かな、と考えるのが苦しくも楽しいです。



以下は脳内実況の羅列。思い出しながら書いてるので時系列は間違えてるかも


・"みなさんご存じbackrooms"だ~~大画面で見られるの嬉しい。映画館で観てよかった。


・例にもれずなんらかの組織の手が入ってるんですね。個人的にホラー作品における研究組織みたいなところ、時に元凶であったり物事を著しく悪い方向に導いたりして愚かなのは面白いけど、組織の成り立ちが~とか誰々研究員の生い立ちが~とか細かくデータを並べて考察する喜びは薄い。でも映画『バックルームズ』がめちゃめちゃ組織重視のシナリオだったとしても甘んじて受け入れましょう。可能性はある。


・うわ!!!!!!!!!!!!! 鳥!!!!!!!!!!!!!!


・鳥ファイナルやめてね!?!!!!!!!!!!!!?


・最悪や。でもそうか、鳥だって裂け目に入る可能性はあるよな。え? 上空にもあるんだそういう入口が。っていうか室内で飛ぶ鳥って超~~~~怖い。駅構内や電車内に入り込んでる土鳩怖い。ホンマにあいつらは何なの? 本鳥もかわいそうだけどそれに出くわした私が一番かわいそうだよ。いーーーー足元がゾワゾワしてきた。鳥肌。鳥肌って、もともと鳥への根源的な恐怖心から肌が泡立つことを表した言葉らしいですよ。私の前世は魚、あるいは虫です。


・ホラーゲームで出てきたら絶対にチェイスを覚悟する長直線廊下。なんでチェイス要素って大半のホラーゲームに存在するんでしょうね? あるのはともかく、捕まったらコンテニューというのが納得いかない。足がすくんで捕まってもブラックアウト後に物語が進むようにしてほしい。


・始まった。"狩り"が。 ……ああ……。 ハンカチ持ってきてて良かった~手汗も拭けるし、握れるし、視界も覆えるし、口も押えられる、良いにおいもする。素晴らしい。


・主人公(クラーク) 自称建築家の中古家具屋さん。目の開きや鼻息、おでこの皴加減からよく性格がわかる。高すぎるプライドと現状との乖離が心を不安定にさせて、怒りでしか表現できない。かわいそうに。頑張りすぎないでほしい、すべて裏目に出るだろうから。


・セラピストのお姉さん(メアリー) 顔と、脚と、二の腕が、とても好きです。ありがとう、画面に映っていてくれて。顔と体形が、好きだ……


・覗き込まれた地面側から背後にショベルカーINのカット、怖すぎ!!!


・CM撮影か~社長自らがマスコットになろうと頑張っていてイイネ。でも無理しないで本当に。これだけやってるのに! って思うと辛くなりますよ。

・従業員は若い子二人だけなんだ。張り切って大きな建物にしたんだろうけど、掃除とかはちゃんとできるのかな。


・異常発生だ!! 配電盤修理を装った詐欺の話この前みたなあ

・というか音が、耳障りすぎない良い塩梅で嬉しい。


・え~ ショールームとか家具屋さんでお泊り、楽しそう~~怖そう~~

・でもこれって売り物なんですよね……?

・窓をあけて~~♪ (アナ雪未履修)

・メアリーはメアリーで、色々抱えているものがある感じですね。


・空間の明暗って、人間の恐怖心と密接すぎる。

・呼ばれている…!!!!!!

・おお、そんなにゅるりとした感じで入るんだ。出入りできるんだ。


・セットすご!!!! (以後繰り返し思う)


・それ意味ある? みたいな謎間取りとオブジェクト嬉しい~~

・空間の明暗って略


・あのね、怖いです。帰りましょう。

・謎の立て看板。最近流行りのフチなしパネルだとより怖そう。あ、日本語。


・観測されてる!

・ゲームっぽいアイテム発見の仕方嬉しい。

・自ら入るわけないこの隙間に。どうやって方向転換したの?


・クラーク船長のモチーフが散りばめられてる。そういえば冒頭のバックルームズ映像も舵とか垂れ幕とか、それだったんだ。

・"何か"と目が合うのかな? まだ姿は見えないのかな?

・怖いです!!! 帰りましょう!!!


・道繋がっててよかった~。逃げる時の中途半端な早歩きがめっちゃリアルだなと感じる。

・戦利品ゲット! じゃないのよ。持ち帰れるんだ……。これが売れたら……ふふ。


・幻想疑われパート短めで助かる。これくらいでいいんだよこれくらいで。

・探索が進んでる! 探索描写の端折り具合いいね。これくらいでいいんだよこれくらいで。


・街並み風景もどこか不穏で嬉しいね。構図と色味がずっと好きだな~。

・ああ、かわいそうなバイトちゃんたち……(でもそんな早く退場すると思ってなかった)


・当然の不安。正しい。帰ろう。彼氏と上司に命賭ける必要ない。

・降りるんですか? ここを?

・ひーー降りていくの怖すぎる。先が見えないって怖い。

・布ってかなり有機物で怖いな。べちょっとした感じとか。

ていうか服って……人間の形だ……怖い……。

・なんかパネルの顔埋もれてる?


・!!気配 なんで行く?

・逃げて逃げて逃げて! うおーーー

・カメラ置かれて持ってた人が画角に映るやつ、良い。

・助かって……ない助かってない! 助かってない! 

でも正直、頂上に着いてから紐が巻き取られるやつ、かなり好みです。セクシー。

・諦めの背中×2 これもホラーのいいところですよね。本当に大切な人相手だったとしてもありえない脅威に襲われている姿を見たら、自分を護るために目の前の景色がどこか現実味を失ってしまう。必死に追いかけられなくなる。味があります。

・あ、ベッドなめ構図怪しいねこれ……紐が繋がってるのって……うわ本当にそうなんだ(嬉しい)

・二人同時に落ちたら狭すぎて体がバキバキになっちゃいそう。


・巣穴に持ち帰って食べる系なんだ。

・血液は残らないのかな? 壁が吸うんだろうか。

・ホラーの醍醐味、錯乱する女性。

・逃げてー! 逃げてー! クリスマスツリーの部屋怖すぎ怖すぎ怖すぎ(この辺顔覆いすぎてあまり記憶ない)怪物いっぱいいるなんて聞いてない!!

・あ、プールだ!!!!!

・カメラ置かれて持ってた人が画角に映るやつ、良い。(二度目)

・誰!? 誰!? 誰なの!?!?


・悪夢の中の家風景。腐った食べ物とかたまった服とかホコリ臭いカーペットとかカサカサの古新聞のにおいが感じられて、くるものがある。記憶干渉型の4DX?

・急な大声、コワッ

・一方そのころ……だ。主人公交代嬉しいね。いや、クラークも頑張ってたけどさ、やっぱり画面に好みの女性が映ると嬉しいじゃないですか。服装が豊富で嬉しい。カワイイ。

・窓を開けましょう、我々も。


・ポップコーンと映画いいね。私は今日はコーヒーのみ。

・一般家庭のお父さんのお仕事、異世界探査なんだ。クラークみたいに個人的な趣味調査だったらどうしよう。魅入られてるんだみんな。

・どこで合流するのかな~。助けてくれる? いや……助けてはくれなさそう……。


・メアリーが早々に入口にたどり着いた。テンポ感がかなり好き。

・冒頭の映像で映ってた部屋の壁紙も、店内にあるやつなんだ。

・クラークさん、めちゃめちゃ探索進んでません?

・ハエも困惑してる。

・メアリーの心音と私の心音がリンクしすぎている。怖い。

・でもメアリーは足を進められるからね。すごいよ。


・たしかに無限に壁あるから、無限に壁面イラスト練習できるんじゃない?

・うおっクラークさんビックリさせないでね。やっぱ生きてるんだ。さすが主人公さんだ。

・その、右半身を隠しながらの立ち話、怖いです。(好きな構図)

・歩いて出てくるのでなく場面カット挟んで出てきてるのが、良い。たぶん怪異側だ、すでに。

・袋の鼠って…こと!?

・うわーーーー襲われた終わった。やめてください。


・!!!!この、床突き破って移動していく中で記憶風景が徐々に異世界化していく演出好きすぎる!!!!!!!!!!(星野源のMad Hopeでこれの逆みたいな浮遊演出あったな)


・マッドなティーパーティだわね。 汚いわたあめを、ありがとう。食べません。

・「救おうとしたのに……」みたいなセリフ、気色が悪くていい。

・後ろの女の人(概念)ちょっと動いてるのが怖い。

・皮をはいでマスクに? カツラの方か~

・嫌すぎるベチャ音。断面あのわたあめみたいな感じでしょ? やだなあ

・ナイフ握りながら話し合いなんてできるわけないだろ!

・メアリーよう言った。でも、危なくない? 大丈夫? 怖い……。

・縄ほどいたうえで刺してきそうな危うさがあるな。


・何かくる!!!

・おああああああって壁に向かって必死に走る姿、ホラーゲームしてるときの私すぎる。

・もう一人のクラーク!? 食べる側ということは、食べられる側でもあるという事だ……。

・メアリー頑張れメアリー頑張れ


・家建てたのかな。さすが建築家。

・逃げ方が難しすぎるこの空間。メアリー運がいい。

・おお~~~良い吹き抜け空間と謎階段だ。夢すぎる。嬉しい。

・落ちてきたドアちょっと重そう痛そう

・現実!? じゃないんだろうなあ……

・ホラー映画といえば、闘う覚悟、ですよ。


・やったか!? うわーーーー

・これで助けが来るのかな!? こ、こない! 怖い! メアリー頑張って!

・うおーー思い出の石攻撃! 強い! 強い! 頑張れ! 走れ!

・立ち止まるのは隙だよ危ないよ。

・ひーーーーーー人間です助けてください。


・組織きた。案外出てこなかったな。

・パネル大量生産されてるんだ。人物のモデルは何なんだろう?アダム?

・収容されるのかな、クラーク船長。大手柄だね。

・メアリーが無事に帰れますように。

・ええ、無事に帰れなさそう……。

・あ!! 記憶が異世界に定着してる!!!!!


・エンディング曲いいね。

・ずっと音が良かった。不快すぎず快すぎず、絶妙な不安感。


・エンディング後映像。(これはYoutubeで公開されているらしいです)

・後日かな? 前日かな?

・帰りましょうよ~~~~~~~~~~~~

・大きさをしきりに気にする調査員が気になる。

・後味が「いつもの」その味が好みかどうかはともかくとして、その姿勢に好感があります。それを観に来た人にそれをお出ししようという感じが。






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