Live2Dのデフォーマ構造のメモ
- 愛徒 寿倉
- 2022年8月7日
- 読了時間: 7分
更新日:2022年8月7日
おつかれさまです。寿倉愛徒です。
自作Live2Dモデルを新調、先日お披露目配信をしました。
5度目のLive2Dモデル制作なんですが、前回の制作から期間があいていたのでマニュアルとにらめっこしたり、Google先生に泣きついたりと大変でした。
そんな中でも一番 「これは、まず何をすれば??」 とフリーズしてしまった作業が、Live2Dでのパラメータ付けに必須のデフォーマづくり。
ここからはデフォーマとその入れ子構造に関する説明と、メモの動機なので
デフォーマ構造ね、わかるわかるという方は次の線までとばしてください。
公式マニュアルを引用。
”Cubismではメッシュの頂点一つ一つを動かすことでオブジェクトを変形させ、キャラクターの顔向きを変えたり、腕の動きを付けることができます。
ただ、手作業で頂点を一つ一つ動かして形を作るのは非常に手間です。
デフォーマを利用することで頂点をまとめて編集し、手間を減らしながら形を作っていきましょう”
ここでは形の変形についてのみ触れられてますが、一つのオブジェクトに対して複数のパラメータを使う時にも使います。
例えば、顔を左右に向けるという動作の場合
顔を動かすだけならオブジェクトを変形してもいいんですが、実際は顔の表情なども作ります。
そのため、横向きの口を開けた笑顔・横向きの口を閉じた笑顔・横向きの目を閉じた顔……のように顔の向き×表情のバリエーションが必要です。
上下のパラメータも加わると、上を向きながら右を向く……などの複雑な動きになってきますね。
それらのパラメータによる動作を、一つ一つ「下を向きながら左を向いて目を閉じているとき…」なんて作っていたら膨大な作業量になってしまいますし、管理も大変です。
それを簡単にしてくれるのがデフォーマです。
で、このデフォーマくんには幾つか守らないといけないお約束があります。
その中でも私を悩ませたのが『親と子の関係』です。
先ほどの顔の向きの話でいえば、大きな動き(顔の向き)の中に小さな動き(目や口などの動き)が入っている。だから大きな動きをする顔のデフォーマを親として、小さな動きをする子のデフォーマは、親のデフォーマの中に、はみ出さないように入れる。
という事なんですけど
もうこれは本当に触ってみないとわからないというか触ってもわからないというか、デフォーマの作り方も感覚がつかめるまではすごく複雑に感じます。そのうえただ作るだけじゃなく、上下関係、構造を理解しなければいけないという……
まっさらなオブジェクトたちを前に「まず何のデフォーマを作ればいいの!?」と混乱・フリーズです。
検索してみても、モデルの動きが変わればデフォーマ構造も変わりますし、これといった正解があまりないような?
公式で配布されているモデルファイルを眺めてみても、ものすごい可動域を実現するための莫大なデフォーマ数に圧倒されるばかり。これは私が悪い気もしますが……
オブジェクトを読み込んだよ!さあ、パラメータをつくっていこう!となったときに何から作ればいいのか迷わないよう、今回の新モデルのデフォーマ構造をメモしておきます。
大きなところから

よくわからなさすぎてとりあえず全部囲ってみたヨ の全体です。
よくわからなさすぎてとりあえず全部囲ってみたヨ の図

この下に作っていくデフォーマがはみ出してはいけないので
めちゃめちゃでかくしてます。こんなに大きくなくてもよかったかも…?いや、必要なかったらあとで縮めればいいんですよ多分。
■呼吸 には 呼吸パラメータ がついてます。

パラメータってどこよ?ここ。
■全身Z ■全身XY には何もパラメータをつけていません。今回はいらなかったデフォーマ。
傾く動き(Z)と上下左右を向く動き(XY)で頭から足先まで全部一緒に動かすわけじゃないからです。
上半身、下半身のくくりを作ってからの動き付けにしたわけですね。
じゃあなぜこの二つが残っているのかというと、その事にいま気付いたからです。
それでいうなら■呼吸 も上半身のみでいいのか…?
■全体
|→■下半身のZ
|→■下半身のXY
|→■呼吸
|→●上半身の回転
みたいな?うーんでも、上半身と下半身が同じラインにないのは個人的に嫌なので全身で呼吸することにします。
そして ■下半身曲面Z から■スカートの曲面Z がはみ出しているのはちょっとキモいですね。(デフォーマの名付けが雑なのも相まって)
たぶん、今回のモデルは足部分が不動なので、先にスカートのオブジェクトだけ分けたのでしょう……次に上半身のオブジェクトをまとめて、残った足回りのパーツを入れ込んだという感じ

入れる場所がないと、すごく見づらい。
■下半身曲面Z は物置
ということで今回可動域の少ない■下半身曲面Z ■スカートの曲面Z はここで行き止まり。
●上半身の回転 以降です。

●は回転デフォーマというヤツです。説明は割愛。
●上半身の回転 には 角度Zのパラメータ がついています。
これは身体を傾ける動き。ワープデフォーマでもできますが、操作が簡単で好きなのでそちらを使っています。
これが親となって、すべてを動かします。つまり上半身がまるごと動きます。
動かしすぎると上半身と下半身が分離してしまうので、本当にちょびっとしか動かしていません。
そしてその子となる●右腕の回転 ●頭の回転 ●左腕の回転 が各パーツの 角度Zのパラメータ を動かしています。
右腕、左腕のところを広げます。

ごちゃごちゃしてますが青文字のところはオブジェクトなので、スルーしてください。
●腕の回転 の中に ■腕X と■腕Y
があり、それぞれに 角度X(Z)のパラメータを動かしています。
XとYでデフォーマをわけて、上下・左右のパラメータをそれぞれに付けていますが、分けない方がよかった。
●腕の回転
|→■腕XY
|→オブジェクト
腕のモーションもつけようとなると
ここに色々足していくことになる。多分。
●頭の回転 は色々入っているので後回し。そして■上半身Xを広げるとこんな感じ

■上半身X(Y) には 角度X(Z)のパラメータ
そしてその下に●襟の回転 襟のアクセサリーの揺れ 用です。
■胴の揺れ は 胸揺れのパラメータ 用
■胴の曲面 は 角度X(Z)のパラメータ(顔が横を向いたときについていく体の動き)です。
”物理演算でこの位置まで動く”というパラメータも作らないといけないので、揺れ用のデフォーマも出現してきてますます複雑ですね。
作っていくときには、とりあえず揺れ以外のデフォーマを作って、揺らしたいところを最後に作りました。
■上半身Y
|→■胴のXY となっているところに
■胴のXY より大きく■上半身Y より小さい■胴の揺れ を作ったわけです。
わけです……?
なぜ■胴の揺れ が■胴のXY の親になったのか。
揺れたときの動き が 左右を向いた時の動き からはみ出すからです。
あーもう頭が痛い。
とりあえず、これで■上半身X も行き止まり。
最後に●頭の回転 です。

…………?
えっと
生え際と後頭部はあまり動かさない隠れパーツなので、オブジェクトにパラメータを直打ちしています。なのでデフォーマが無いです。
あとは……
えーと……
やっていることは■上半身X のところと一緒なんですけど……
顔はパーツが細かく分かれる上に一番可動域があって複雑なので、デフォーマ数も増えます。
髪の毛も、ある程度毛束を分けて動かしているのでその分多くなるということですね…
ほとんどが
■揺れ
|→■XY
|→オブジェクト
になっているのでこれ以上広げないでおきます。
顔の細かい動き(目の開閉や口の形)はオブジェクト直打ちです。
眼球の上下左右はデフォーマ使ってます。

■右目のXY(顔が動くときの目全体の動き)
|→■眼球の曲面(目玉XYのパラメータ)
|→■眼球の曲面2(目玉XYのパラメータが動いた時のハイライトの動き)
このなかに、目の開閉パラメータ を直打ちしたオブジェクトたちが入っているということですね。
ややこしい~~~~!!!!
非常にわかりにくいですが、まとめることで私自身はちょっと理解度が深まった気がします。
無駄なデフォーマも多いので、まったく同じデフォーマ作りはオススメしませんが
「まず何のデフォーマを作ればいいの!?」と困った時の助けになることがあればいいなあ…
とりあえず、オブジェクトがとっちらかっていると混乱するので
めちゃめちゃ大きいデフォーマに全部入れるところからやってみるのが良いのかな?と思います。そこから、頭、胴体、下半身…と大きく動くところを分ける。
オブジェクトがデフォーマに格納されてどんどん見やすくなるにつれて、デフォーマ作りにも慣れていくと思います!
最後に全部の構造を載せておきます。前述したように、整理すべきところは多いです。
あと、今回触れなかったですが、Vtuber等でつかう正面立ち絵のLive2Dモデルの場合、テンプレート機能も使用できます。
私はそれを後から修正する作業がすごく苦手なのでこんなことになりましたが、一度使ってみたから考えてもいいかもしれません。






無駄にパーツ分けされた服の留め具オブジェクトたち…
●回転0_ から始まる回転デフォーマは
髪の毛の揺れを作るためのスキニング機能による自動生成なので畳んでいます。
スキニング機能については割愛。
おわり❣ おつかれさまでした。
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